「天使の果実」
天使は恋を夢みて果実を口にした
膨らみつづける 初めての苦しみをだきながら
天使は恋を夢みる乙女に果実を空から落とした
切実に願いつづける その想いに打たれて
風の音で真夜中に目覚めた乙女は
まくらの横の果実に気づき
ためらいもせず口にした…
いままでに味わったことのない
ふしぎなふしぎな…だけど懐かしい味
そして不思議なくらい勇気が沸きだした
〜願って待ってるだけじゃダメなんだ〜
そして天使はまた別の乙女へと果実を空から落とす
天使の苦しい想いが叶わないのを
まぎらわすかのように
天使はいくつもいくつもたくさんの果実を空から落としていく
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